そのソリューションは幻想(イリュージョン)かも知れない
システムベンダが異口同音に唱えるソリューションの不思議
手渡された名刺には「○○ソリューション営業部」と書かれています。
目の前の営業マンは、英語とカタカナが好きなようです。
あなたが
「顧客との関係を深めるため、システムを見直したい」
と言うと、営業マンは
「なるほど、CRM(注)をご検討なさっているのですね。我が社の○○ソリューションでは…」
という具合です。
別の現場では
「インターネットできっかけを提供して、店舗への来店を促したい」
というお客さんの言葉を、
「それってO2O(注)ってことですよね!それでは当社のソリューションを…」
とわざわざアルファベットに言い換えていることでしょう。
それは売り手側の言葉?それとも?
このようにシステムベンダが異口同音に唱える「ソリューション」という言葉、何かモヤモヤしませんか?
そのまま訳すると「問題解決」ですが、一体何を問題解決してくれるのでしょうか?
私の見解では「ソリューション」は、顧客が抱える問題を解決することではなく、ベンダの販売手法を指します。ちなみにベンダが提供する実体はプロダクトです。ただモノ売りやハコ売りではなかなか売れないため、提案営業というカタチを取るわけです。
つまりソリューションという言葉は、プロダクトを売りたい側の発想から生まれたということです。営業マンは「お客さまの問題を解決します」と言いますが、売り物はすでに決まっています。自社のパンフレットに載っているものを売ることが使命だからです。ソリューションは、視点を買い手に移すと、営業マンの言葉は幻想(インリューション)であることが多いわけです。
【補足】
・CRM
「Customer Relationship Management」の略。
ITを利用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法のこと。
・O2O
「Online to Offline」の略。
インターネット上(オンライン)から、インターネット外の実際の場所(オフライン)への行動へと促す施策のことや、オンラインでの情報接触によりオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策のことを指す。
この記事を書いた人について
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オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 代表取締役
協同組合シー・ソフトウェア(全省庁統一資格Aランク)代表理事
富士通、日本オラクル、フューチャーアーキテクト、独立系ベンチャーを経てオーシャン・アンド・パートナーズ株式会社を設立。2010年中小企業基盤整備機構「創業・ベンチャーフォーラム」にてチャレンジ事例100に選出。
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