【Li-Fi】照明の光でインターネットに接続? Wi-Fiと何が違うのか?
今やスマートフォン・パソコン・スマート家電など、インターネットに接続して使う機器の敷居が低くなり保有しているのが当たり前の世の中となっています。
その中で機器の性能ももちろんですが、通信技術も時代の流れにより進化をしています。
最近話題のスマートフォン等の通信技術の5Gも、きっと数年で当たり前となっていくでしょう。
今回の記事では、Wi-FiのようなインターネットのアクセスポイントとなるLi-Fi(ライファイ)という技術について解説します。
Li-Fiは現在ではまだそこまで世の中に浸透していませんが、「Wi-Fiより10倍以上の通信速度が出る!」と言われていたり、2016年には「アップル社がLi-Fiへの対応をiOSで準備中!?」というニュースがAppleInsiderの記事で報じられたりと、注目が集まっている通信技術です。
もしかしたら次期のiPhoneではLi-Fi受信可能になっているかもしれませんし、近い将来にはあって当たり前の技術になる可能性が高いと感じているので先んじて考察してみようと思います。
Li-Fiとは一体何なの?
LI-Fi(ライファイ)とは、LED照明を使った無線通信技術の一種で、LEDの光の電磁波を人間の目では速すぎて認識できないほど高速に変調させて信号を送り通信をする技術です。
LED照明器具は、インターネット回線とつながっているので、パソコン等の機器と通信させる事でインターネットに接続する事ができます。
この記事を読んでくれている皆様の自宅の天井にも照明器具がついていると思いますが、その照明器具自体がWi-Fiのような役割をしてくれる、と考えるとイメージしやすいでしょうか。
上記の図では光信号の受信機を外付けしているイメージで描きましたが、将来的にはLi-Fi受信機がデフォルトでついている機器が
販売されるのではないかと思います。
参考情報
- Li-Fiのような、人の目に見える光を利用して通信する技術を「可視光通信」と言います。
- また、Li-Fiは現在(2020年1月)は国際規格として策定されていませんが、2021年までの規格化を目指しているそうです。
Wi-Fiとは何が違うの?
では、今最も普及しているインターネットアクセスポイントのWi-Fi(ワイファイ)とLi-Fiはどんな違いがあるのか気になりますよね。
Wi-FiはWi-Fiルーターから電波を飛ばし、その電波をパソコンやスマートフォンなどが受取る事で通信し、インターネットに接続しています。可視光通信のLi-Fiとは違い、目に見えない電波を利用して通信を行っているのです。
また、Wi-Fiは電波を使用しているため、他の電子機器の電波の影響を受けてしまうなどの懸念点があります。
例えば電子レンジとは周波数が同じなため、相性が悪いです!
電子レンジから発せられた電波を受信してしまい、通信障害を起こしてしまう事もあります。
Li-Fiの特徴からメリット・デメリットを読み解く
ここまでLi-Fiの概要やWi-Fiとの違いを説明してきましたので何となくどういうものなのか理解していただけたかと思います。
続いては、Li-Fiの特徴を具体的に掘り下げそこから考えられるメリットやデメリットについて考察していきます。
他の電子機器の電波に干渉しない・されない
先ほどWi-Fiは電波を使用し通信を行うため、周波数が同じ電子機器の影響を受けてしまう事を説明しましたが、光を使い通信を行うLi-Fiではその心配はありません。
また、病院や航空機内や原子力発電所などの電子機器への影響で電波を使いにくい場所でも、電波を使わずに通信を行えるLi-Fiは重宝されるのではないかと思います。
光が届く範囲でのみ接続可能
Li-Fiは光を利用して通信をするため、光が届く範囲でしか接続できません。
すなわち、壁や障害物をすり抜ける事ができないのです。
そのため、もし自宅のすべての部屋でインターネット接続をできるようにする場合、各部屋ごとにLi-Fi対応のLED照明機器を設置する必要があり、導入するコストが高くなります。
こう聞くと一見デメリットのように思えるかもしれませんが、セキュリティ面で考えてみると外部から通信を傍受される事がないのでセキュリティ対策としては◎です。
ひとことメモ
自宅に設置してあるWi-Fiの電波は、家の外に出ても拾う事ができると思います。
Wi-Fi接続するのにパスワードを設定しているとは思いますが、万が一パスワードを知られてしまったら無断でネットワークへの接続をされてしまう可能性があります。
Li-Fiではあくまで光が届く範囲でしか接続できませんので、上記のような事がなくWi-Fiよりも優れたセキュリティ対策ができるのではないでしょうか。
また、水中などでも光が届く範囲であれば通信可能なので、ダイバー間での通信を行う事もできます。
昼間でも接続可能
光が届く範囲でなら接続が可能な事は解説しましたが、昼間の室内や直射日光が射す屋外などではLEDの光がかき消されて使えないのではないか?と思いますよね。
そのような条件下でもLi-Fiを使用できる事が技術的に可能なのだそうです。
理由としては自然光にはLi-Fiのように光信号の高速変調がないため、干渉されずにLi-Fiの光信号を受信する事ができるのです。
Wi-Fiより通信速度が速い?
Data density offers a greater user experience as it reduces the need to share the wireless bandwidth with other users. LiFi can achieve approximately 1000 times the data density of Wi-Fi offering more data per square metre. This is an important factor for wireless efficiency.
(和訳:データ密度により、ワイヤレス帯域幅を他のユーザーと共有する必要が減るため、ユーザーエクスペリエンスが向上します。LiFiは、Wi-Fiの約1000倍のデータ密度を実現し、1平方メートルあたりのデータ量を増やします。これは、ワイヤレス効率の重要な要素です。)
引用(https://purelifi.com/technology/)
上記の引用文を読むと、Wi-Fiの通信方法(電波を使う方法)よりも、Li-Fiの通信方法(可視光通信)のほうが帯域幅が多く、よりたくさんのデータが通信できるとの事なので、理論上はWi-Fiよりも速い通信速度がでるという事になります。
実際に体感していないのでどのくらい速度に差があるのかわかりませんが、お金に余裕ができたら体感してみたいです。。
これからの時代はケースバイケースで使い分けられる?
ここまでLi-Fiの特徴を紹介してきましたが、良い事ばかりのような気がしますよね。
なので「Wi-FiがそのうちなくなってLi-Fiの時代になるのか!」と思われるかもしれませんが、私はそうは思いません。
というのも、Li-FiにもメリットがあるようにWi-Fiにもメリットがあります。
(特にLi-Fiの「光が届く範囲でのみ接続可能」という特徴が用途によっては選択肢から外れるためWi-Fiをなくすことはできないのでは、と思います)
あくまで用途によってWi-FiとLi-Fiを使い分けし、共存していくのではないかと思っています。
(スマートフォンでは4GやWi-Fiを使い分けていると思いますが、この選択肢の中に「Li-Fi」接続が加わるというイメージをしています。)
まとめ
今回の記事では可視光通信技術のLi-Fiについて解説をいたしました。
今はまだ十分に普及していないLi-Fiですが、そのうち街や家電などでもよく見かけるようになるかもしれませんね。
この記事を書いた人について
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オーシャンアンドパートナーズ株式会社 システムエンジニア
在宅で愛犬と共に働いています!WEBデザインやフロントエンドに興味しんしんな今日この頃。
普段のサイト制作で発見したノウハウをコラムに載せています。