【働き方改革】リモートワークを成功させる3つのポイント
今回は昨今話題となっている働き方改革について、私が行っているリモートワークの実体験をお伝えし、イメージとのギャップや実際のメリット・デメリットについて考えてみます。
働き方改革について
厚生労働省の定義によれば「働き方改革」は、以下が目的となっています。
働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、
働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指している。
これを実現するために「長時間労働の是正」、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」や「柔軟な働き方がしやすい環境整備」などの推進を行なっています。
リモートワークも働き方改革の推進で話題にはなっているものの、なかなか浸透していないという現実があります。
私はリモートワークを実際に行っていますが、プライベート面でも仕事面でもプラスになることが多く、これからどんどん浸透していって欲しいと思っています。
私が実際に体験したことや、それによりどんなことがプラスになったのかをいくつか紹介します。
リモートワークを始めてみて分かった想定外のメリット
会社通勤の頃はどうしても家にいる時間、子供といる時間が限られていました。
また、保育園の送迎も妻が自転車で行っていたため、雨でも風でも通勤ラッシュで交通量が多い時間帯に自転車での送迎を余儀なくされていました。
こうした問題点をずっと改善したいと思っていて、いざリモートワークを始めてみると、思っていた以上にメリットがありました。
仕事、家事、育児をすべて行うことの大変さが身に染みてわかった
初めて妻が今までやってくれていたことを目にした時に「こんなに大変なのか」と驚きました。
土日は私も家事や育児に積極的に取り組んでいたつもりでしたが、自然と妻と分担する形になっていたので、家事と育児を一人でやることの大変さに気付いていませんでした。
その時に「今まで(会社通勤って)楽だったんだな」と思い、妻にいろいろと聞きながら家事や育児を覚えていきました。
こうして平日も家事と育児に関われるようになったことにより、妻との会話が増えたり、子供との信頼関係が築けたりといろいろなことが良い方向へと向かっていきました。
今では妻が一番ストレス発散になるという友達とゆっくり食事する時間も作れるようになり本当によかったと思っています。
リモートワークによりプライベートの柔軟性が上がり、家族みんながストレスをためないような環境を作れるというのは、非常に大きなメリットです。
ちなみに今は大体以下のように家事を主に妻が行い、子供の世話を主に私が行っています。
家事・育児 | 担当 |
弁当作り | 妻 |
洗濯 | 妻 |
風呂掃除 | 夫 |
子供の登園準備 | 夫 |
子供の送り | 共通(状況によって変わる) |
夕飯作り | 妻 |
子供の迎え | 共通(状況によって変わる) |
子供をお風呂に入れる | 夫 |
夕飯の片付け | 夫 |
子供歯磨き | 夫 |
子供寝かしつけ | 共通(状況によって変わる) |
「リモート」だからこそのコミュニケーション力向上
私がリモートワークを行うまで一番気にしていたことは「チームでの作業でコミュニケーションに支障がないか」ということでした。
それまでの私の経験では同じ空間で作業することで意識の共有、確認、課題の解決など作業する上で必要なことがスムーズに行えると思っていたからです。
また、職場での信頼関係も築きやすいと思っていました。
しかし、実際にはコミュニケーションも問題なく、信頼関係も築けることがわかりました。
さらになぜ問題ないのかを考えてみると、コミュニケーションの重要な部分に気付きました。
指示する側:何を伝えるか(何を伝えれば作業ができるか)
作業する側:何を聞くか(何を聞けば作業ができるか)
これは当たり前のことですが、リモートワークを始めて上司やメンバー間のやり取りを見ていて私の今までのやり方を振り返るとできていなかったと感じました。
私がよくやってしまっていたのは
「とりあえずこれやってみて、わからないことは聞いて」という指示
「とりあえずやってみてわからないことがあったら聞きます」という受け方
というコミュニケーションで当たり前の部分をおろそかにし、その場で聞けることを前提にしたコミュニケーションです。
メール等でやり取りするリモートワークではもちろん非効率なやり方ですが、同じ空間にいる場合でも非効率です。
逐一確認しながら作業する場合、その都度お互いの手を止めてしまうため非効率であり、指示をする人が忙しければなかなか聞けずに作業が思うように進まないという状況になります。
その結果、作業者が「たぶんこういうことだろう」という想定で作業することになり、その想定が間違っていた場合、無駄な作業になってしまいます。
このように認識の不一致はリモートワークに限らず発生し、これが続くと信頼関係の低下にもつながる可能性があります。
少なくとも指示の意味や背景、思い(イメージ)を伝え、作業者も具体的にどういった作業になるのか(イメージ)を聞く必要があります。
そういった点では、リモートワークで行うコミュニケーションは本来やるべき当たり前のことが前提になっているため、コミュニケーション力の向上にもつながります。
また、「そこまではお願いしていない」「そこまでやるんですか?」というような作業範囲の認識の不一致も防げます。
これはリモートワークの性質上、作業範囲についても文章等で明確に表す必要があるため、このような認識の不一致を防ぎ、無駄な作業が減ります。
ただし、若手の育成などどうしても細かく手間をかけてコミュニケーションを行う必要がある場合もあります。
こういった場合には定期的に日時を決めてビデオチャットを行ったり、コワーキングスペースを利用するなど工夫が必要です。
無意識に「より良い仕事をする」ことを考える
皆さんの中にも「セルフコントロールができるか?」というようなモチベーションに関する不安を持っている方いませんか?
確かに会社へ通勤する場合と比べ、仕事に対する強制力は低くなります。
私がリモートワークを始めて周りから一番多く言われたのもこのモチベーションに関する疑問でした。
それは現状が「仕事しなきゃ」というマイナスの意識が強く、「仕事しよう」というプラスの意識になっていないからだと思います。
そもそもリモートワークでは環境やワークバランスを整え「より良い仕事をする」というのが大前提として考えることであり、マイナス意識が生まれることが少なくなります。
また、最初から自分ですべてを管理することに抵抗がある方は、リモートワークに慣れるまでタイムテーブルを作成し、作業することをお勧めします。
例えば1日8時間を基本としてとして、まずは一般的な会社と同様に9時~18時で仕事をすると決めておき、実際にやりながらどういったタイムテーブルが一番効率が良いのかを探して徐々に自分のスタイルを作っていくというやり方もできます。
ちなみに私は下記のようなタイムテーブルになっています。
日によって前後しますが、大体はこの流れで仕事を行っています。
私は仕事が3回に分かれている点が適度にリフレッシュが行え、集中力の高い状態も維持できるため、モチベーション向上に非常に良い効果があると思っています。
夕飯を家族と一緒に過ごせるというのもモチベーションに大きく影響しています。
誰しも新しい環境で最初からすべてがうまくいくということはなかなかないと思います。
それでもリモートワークであれば、自身や身の回りの状況に合わせて日々のワークバランスを作れるため、モチベーションが向上し「より良い仕事をする」という意識に変わりやすくなります。
生産性向上のポイント
これまでの話をメリット/デメリットに分けて表にまとめました。
メリット | デメリット | |
プライベート | 柔軟性が上がり、ストレスフリーな環境を作れる | なし |
仕事のコミュニケーション | 基礎コミュニケーション力の向上 無駄の削減 |
若手の教育など細かくやり取りする必要がある場合は工夫が必要 |
仕事のモチベーション | ワークバランスを柔軟に変更可能 仕事環境の最適化 |
仕事への強制力が低くなる セルフコントロールが不可欠 |
これらを踏まえ、生産性向上のポイントをまとめると以下の3つになります。
・プライベートの充実によるストレスフリーな生活、リフレッシュ効果
・コミュニケーション力向上による無駄なやり取り、無駄な作業の削減
・仕事環境の最適化によるモチベーション向上、集中力の持続
上記のポイントを押さえればリモートワークでの生産性がぐっと上がります。
是非皆さんもリモートワークで「働き方を選択し、より良い将来の展望を持てる」環境を作りませんか?
この記事を書いた人について
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オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 システムエンジニア
顧客をリードし、最適なシステムを構築、提供できる技術者を目指しています。
コラムでは若手技術者向けを中心に今までの経験を踏まえた実際の開発現場で役立つ情報を発信していきます。
プライベートでは家族の足(専属運転手)となり、今ではかねてからやりたかった日々の送り迎えが日課になっています。
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