DX(デジタルトランスフォーメーション)やRPAなどマネジメント向けに1分で概説してみる
自分たちの会社のIT化を検討し始めている経営者もしくは事業責任者の方向けに、IT業界界隈で良く使われている言葉について、できる限り分かりやすく解説してみようと思います。
今回は「日経新聞では見かけない日はまず無い!」というIT関連のアルファベット言葉を1分で概説します!
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは何か
かつてのコンピュータが電子計算機だった頃のようにITをコストとして扱うではなく、将来の企業価値や収益性を高めるための戦略的投資と位置付ける概念を指します。主に以下のような2つの意味合いで用いられます。
ー臨機応変な社内態勢ー
ベンダに丸投げするのではなく、臨機応変なIT整備ができることを狙いとして、自社内にエンジニアを採用、もしくは育成環境を整えることで内製可能な体制を持つこと。
ーパラダイムのシフトー
ITによって仕事の在り方、あるいはサービスの在り方そのものを変えること。
改善改良にとどまらないこと。
【補足】
2019年頃に生まれた流行語ですが、実例は20年以上前から存在するため新しい概念でありません。※参照
しかしながら企業の先進的な取り組みを促すネーミングとしては秀逸といえます。
※過去にすでに起こったDX(デジタルトランスフォーメーション)の例
-商品購入のプロセス
【アフターDX】 ユーザーは欲しいものをその場で購入でき、同時に決済もできる ex)オンラインショッピング
【ビフォーDX】 在庫庫確認のために購入が決定するまで1日程度の時間がかかることも珍しくなかった。
-店舗ビジネス
【アフターDX】 営業時間帯:8時間を3回転できるようになった(物流、接客、棚作りを3回廻せる)
【ビフォーDX】 営業時間帯:標準勤務時間の8時間がベース
-営業状況把握の仕組み
【アフターDX】 市場で起きた事象変化はリアルタイムで捉えることができる
【ビフォーDX】 顧客客の変化は全てリアルタイムでやってくるのにかかわらず、ウイークリーあるいは月次でしか捉えることができない
DX(デジタルトランスフォーメーション)におけるIoT(インターネット・オブ・シングス)の関わり
IoT(インターネット・オブ・シングス)とは様々な「モノ」がインターネットにつながって情報交換できる仕組みを指します。
センサーを取り付けることのできる物体全てが対象となり「モノ」「センサー」「通信」「アプリ」の4要素で構成されるものです。センサーの小型化や無線通信の技術進化より屋内外問わず普及しており、大半のビジネスで必要な「モノの状態変化の把握」を自動化できるため人手削減、業務効率化を期待できるもののひとつです。
【補足】
導入が拡がっている背景として、人口減少・少子高齢化により働き手が不足している一方でビジネス競争は激化しており、業務の効率化が急務という事情があります。なお普及の背景としてLPWA(Low Power Wide Area:低消費電力かつ広範囲)という少ない消費電力で、数キロ単位の距離で使える通信技術の貢献が大きく、農業や漁業をはじめとした第一次産業にも利用が拡がっています。※参照
※第一次産業での応用事例
-酪農ビジネス
牛の個体情報管理による飼養管理
-水産ビジネス
水温、塩分濃度、酸素濃度をリアルタイム計測
いずれもベンダ主導ではなく、当事者主導で拡がっている点が興味深い。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との関係
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とはデスクトップ作業の手順をソフトウェアに覚えさせることで無人でも自動作業できる仕組みを指します。
請求書が添付された電子メールの受信、データ抽出、 経理システムへの入力など、ルーチンでできる作業を自動化することができます。近年脚光を浴びている仕組みのひとつです。
【補足】
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の延長で語られることもありますが、RPAは仕事の在り方を温存するため、DXとは実は対極の概念です。
この記事を書いた人について
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オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 代表取締役
協同組合シー・ソフトウェア(全省庁統一資格Aランク)代表理事
富士通、日本オラクル、フューチャーアーキテクト、独立系ベンチャーを経てオーシャン・アンド・パートナーズ株式会社を設立。2010年中小企業基盤整備機構「創業・ベンチャーフォーラム」にてチャレンジ事例100に選出。
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