RFP(リクエスト・フォー・プロポーザル)などIT用語をマネジメント向けに1分で概説してみる
自分たちの会社のIT化を検討し始めている経営者もしくは事業責任者の方向けに、IT業界界隈で良く使われている言葉について、できる限り分かりやすく解説してみようと思います。
ビジネスユーザの立場でおさえておいたほうが良い言葉、知っておくと専門家と会話しやすい、という観点で言葉をピックアップしています。今回はシステム化のアプローチに関する用語を概説します!
システムベンダ
ITに関するサービスを提供する事業者の総称です。
ハードウェアやソフトウェアのメーカーや販売会社、クラウドサービス事業者、システムインテグレータ(必要なサービスを一括手配する総合窓口会社)、ソフトハウス、Web制作事業者など、カテゴリは多岐にわたります。
【ひとこと】
中立的な立場から助言するコンサルティング会社はシステムベンダとは別のポジションとして扱われる場合が多い。
RFP(リクエスト・フォー・プロポーザル)
直訳は提案依頼書。発注側がシステムベンダから「要件に沿った提案」をもらうことを狙いとして作成するものです。各システムベンダから出された提案書の比較評価がしやすくなるほか、発注側において目的、ゴール、要件が明確になる利点もあります。
【ひとこと】
RFPを作成することでシステム導入の全体像が明確化され、経営者や関係部門の合意も得やすくなります。
要件定義
システムを設計するにあたって欠かせない前工程のひとつです。システム実装すべき機能や性能を明確化する作業を指します。利用部門から要求を引き出しシステムに求める機能を整理したうえで業務フローを作成し、利用部門との認識に齟齬がないことを確認するプロセスでもあります。
【ひとこと】
発注者側が主体の作業。
コンサル会社やシステムベンダの支援を仰いで行うのが一般的です。
ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)
企業経営に必要な基幹業務システムをオールインワンで提供するパッケージのこと。全ての経営プロセスにおいて情報を一元化しマスターデータとして管理できるため、導入がうまくいけばその恩恵は計り知れないほど高いと言われているものです。
【ひとこと】
日本企業の場合は業務毎に個別のプロセスが存在し、それに伴う個別伝票、管理帳票の数も多いことから、大量のカスタマイズを避けることが難しいようです。
ウォータフォール
作業工程を分割して順序に沿って手がける開発アプローチ。
川の流れになぞらえて上流から下流に向かって順番に進めていくことから命名されたものです。
一般的に戦略検討、計画作成、具体化検討、設計、開発、テスト、という順番で進めます。
システムの姿が現れるのは後半以降の工程のため、実物にギャップを見つけた時点では手戻りが多くて戻れない、もしくは高コストになる、というリスクへの対策については、多様な考え方があります。
【ひとこと】
失敗プロジェクトの原因として左記リスクを回避、克服できなかったケースは非常に多いようです。
様々な工夫や方法はあるが、依頼側の体制、ベンダの力量、依頼側とベンダのチームワークという複数の要素が重要といえます。
アジャイル
短い開発と評価の繰り返しを積み重ねることで、リスクを最小化しようとする開発アプローチ。
ウォータフォールの課題を克服する形で現れたため、ウォーターフォールに対してアジャイルは新しいという文脈で用いられます。
手法についての明確な定義はなく、様々な自己解釈による亜流スタイルが存在します。
【ひとこと】
発注者側に求められるスキル要件や負担の高さについてはあまり知られていません。
この記事を書いた人について
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オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 代表取締役
協同組合シー・ソフトウェア(全省庁統一資格Aランク)代表理事
富士通、日本オラクル、フューチャーアーキテクト、独立系ベンチャーを経てオーシャン・アンド・パートナーズ株式会社を設立。2010年中小企業基盤整備機構「創業・ベンチャーフォーラム」にてチャレンジ事例100に選出。
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