なぜキャラ弁をつくらない私が、キャラ弁のウェブサービスを始めようと思ったのか
先日、きゃらぴというサービスをローンチしました。キャラ弁の写真投稿サイト「きゃらぴ」
通常のレシピサイトと異り、投稿写真がタイムラインに流れたり、写真を投稿すると、他人から「いいね!」が貰えたりする特徴を持つサイトです。
ちなみに私はキャラ弁はおろか料理はまったくできません。世界からほど遠い自分がなぜこのようなサービスを始めたのかは、一番大きな理由は、コンテンツとしてのキャラ弁に大きな可能性を感じたというのがあります。そのくだりはこちらの記事にも詳しく書きました。
それと前回の記事では語らなかったことですが、「キャラ弁のコンテンツ化」という発想をしているうちに、なぜか頭の中に「ピンが刺さった」のです。なぜかうまく説明できないのですが、「ピンが刺さった」としか表現しようがありません。とにかく「キャラ弁は必ずヒットする」という直観が働いたのです。
あまりにもニッチすぎて誰もやらないだろうという算段もあります。事業として成り立つかどうか客観的に見て極めて微妙に映るはずです。だからこそ自分がやろうと思った、そんな説明も可能といえば可能です。実際今でもそう思っています。
コンテンツとしてのキャラ弁写真は見ていても楽しいし癒されます。これを惹き立てる場をつくっていくことは、さらに楽しい作業でした。今回はそんなサービスの設計の舞台裏を書いていきます。
「自己承認欲求」と「癒し」のマッチング
キャラ弁は出来上がった瞬間、作り手の気持ちが最高潮に達するというのが最初に立てた仮説です。ちなみにキャラ弁の写真をブログにアップされている方は「見てほしい」「褒めて欲しい」という気持ちをお持ちです。自分自身でも傑作と感じる場合は特にです。
ただ評価者が家族だけの場合、心無い評価に気持ちが浮き沈みすることもあります。子供ですと、毎日のことですからリアクションがく薄くなる側面や、キャラクターが似てる似てないというように即物的に判断することがあるからです。
そこで檜舞台としての場という側面と、たとえ家族受けが良くなかったとしても「頑張ったね!」と承認が得られるサードプレイスとしての側面性が重要となります。どちらにせよ共通項は「自己承認欲求」です。これをとことん「くすぐる」ということをサービス設計の根幹に据えました。
なお開発にあたっては下記の実現を目指しました。
1.つくったその場でスマホで撮影して、そのままアップできる
写真のアップの用途として、スマホ専用サイトを最初から構想に入れました。もっと広い画面で楽しみたい場合に、パソコンからも使えるように、画面をスマホ用とパソコン用を準備しました。どの端末から使う場合でも、URLはひとつとし自動変換します。
2.ソーシャルメディアとも連携して一気に拡がる
先だってフェイスブックページの「キャラ弁倶楽部」を立ち上げています。ここに集まった4,000名のファンに一気にリーチできることになります。
3.誰かの「いいね!」や、コメントや、写真がクリップされたという情報を即座に受け取れる
写真を投稿するとタイムライン形式で流れるように考えました。また後述するように通知の仕組みも設計。投稿すると、読者のリアクションに応じたバリエーションで、即座にフィードバックが得られる工夫がポイントになりました。
4.自分の作品コーナーにどんどん蓄積される。そこに対してもフォロワーが付く
タイムラインはあくまでもフローで流れるため、ストックという概念も必要です。この部分は将来的には充実させていきたいという考えです。
5.週単位で更新される人気ランキングを公開
ランキングは動くことが重要。アルゴリズムはちょっと考えて工夫しています。ヘビーユーザーの射幸心を煽るだけではなく、見る人にとって有益な写真を自動的に上位表示させるという概念が中心となりました。
6.お気に入りの写真や作者を、自分専用のクリップボードに保存できる
作り手だけではなく、見る側もストックできます。フローがあればストックも。この考え方はサイトの至るところに浸透させました。
7.お気に入りの作者が新しい写真をアップしたら通知を受け取ることができる
先ほどのランキングもそうですが、サイトに戻ってくる仕掛け、訪問するきっかけが、サービス設計において重要と考えました。地味ですが根幹の部分です。
ということで、
というサービスが完成しました。女性向けマーティング事業の一貫として始めます。ここにどのような戦略があるのかは改めて書きます。
ここまでお読みくださった方にお願いです。この記事を拡散してください。できるだけ多くの方(特にキャラ弁好きな子育てママ)に、このサービスの存在を知っていただきたいのです。サイトの利用料は完全無料です。何卒よろしくお願いいたします。
この記事を書いた人について
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オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 代表取締役
協同組合シー・ソフトウェア(全省庁統一資格Aランク)代表理事
富士通、日本オラクル、フューチャーアーキテクト、独立系ベンチャーを経てオーシャン・アンド・パートナーズ株式会社を設立。2010年中小企業基盤整備機構「創業・ベンチャーフォーラム」にてチャレンジ事例100に選出。
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