統計データから読み説く「情報システム投資額の目安」
統計を読むと企業の年商とIT費用の相関関係が見えます。
2012年度の総務省統計を見てみましょう。
(写真:http://ja.wikipedia.org/wikiより)
企業規模によらず年商の約1%がITに使われている
IT費用は、一般的には人件費や広告宣伝費よりも後にくるので、最終利益(税引後利益)と連動性が高い傾向があります。
しかし話しを分かりやすくするため年商ベースで見ますと、
・日本の企業の総売上高 1300兆円
・うち中小企業の総売上高 500兆円
(2012年 総務省統計)
というデータに対して
・日本のIT市場規模 12兆円
・うち中堅中小の市場規模 4兆円
企業規模によらず年商の約1%がITに使われていることが分かります。
ITに年商の1%。はたしてこの金額は大きいのか小さいのか?
ガートナー社の調査(2012年)によると欧米企業は売上高の約3.6%をITへの投資に当てているようです。これに対して日本は1%ですから、日本企業のITへの投資額は小さいということです。
仮に欧米と日本に売上高が同じ100億円の企業があるとします。日本の企業は売上高100億円のうち、ITへの投資予算は1億。同様に欧米の企業は売上高100億円のうち、ITへの投資予算は3.6億。
つまり欧米企業と日本企業の間には年間2.6億円の投資の差が生まれていることになります。その差が企業力の差と言えなくもありません。
ランニング費用は5年で初期費用と同じになる
ランニング費用の内訳は、ハードの設備費やシステム全体の維持費、ちょっとしたシステム修正の総額です。一般には5年かけて初期費用と同じというのが、目安となります。
例えば初期費用が5,000万円であれば年間のランニング費用は1,000万円、月額換算で約80万円です。
システム導入の初期費用は年商の2.5%が目安
5年間のIT費用の平均値を年商の1%と仮定すると、初期導入の費用は年商の2.5%が目安となります。
日本の全体経済から導いた数値ですが、実際私どもが経験してきた現場感覚とほぼ一致します。
システム導入の費用を、ベンダの見積りに任せてしまうと、それが適切な金額であるかどうかが判断できません。「当社にはどれくらいの予算が適切か?」の仮説を持つことが発注企業の経営陣に求められます。そのためには市場環境の中から基準値を知ることが大事だと言えます。
この記事を書いた人について

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オーシャン・アンド・パートナーズ株式会社 代表取締役
協同組合シー・ソフトウェア(全省庁統一資格Aランク)代表理事
富士通、日本オラクル、フューチャーアーキテクト、独立系ベンチャーを経てオーシャン・アンド・パートナーズ株式会社を設立。2010年中小企業基盤整備機構「創業・ベンチャーフォーラム」にてチャレンジ事例100に選出。
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